【筋肉をつけながら痩せるための食事とは?】
- Kenji Yamada

- 6 日前
- 読了時間: 5分
文:山田賢児(Y personal training gym 代表・管理栄養士)
人生初のボディコンテスト減量から学んだ、現実的な食事戦略
人生初のボディコンテストは、2014年10月19日
私は2014年10月19日、東京都内で開催されたフィジークのコンテストに出場しました。
これが、私にとって人生初のボディコンテストです。
その約2週間後にはベストボディ・ジャパンにも出場し、
結果としてこの2大会が、私の最初で最後のコンテスト出場となりました。

コンテスト出場を決めたのは約1年前
2014年のコンテスト出場は、約1年前(2013年)に決めていました。
当時の私は、
ランニングのしやすさ重視
箱根駅伝出場時の体重は約57kg
コンテストに向けた増量前の体重で62〜63kg
という体型。
そこから
約9ヶ月の増量期
約3ヶ月の減量期
を経て、人生初のコンテストに挑むことになります。
この記事では、
「筋肉量をできるだけ落とさずに減量できた一例」として、
私自身の体験と実データをもとにお話しします。
糖質オフは、私には合わなかった
減量期に入る際、参考にしていたのは
アトキンスダイエット(低糖質ダイエット)をベースにした方法でした。
確かに、
体重は一気に落ちる
見た目の変化も早い
というメリットがあります。
私自身も、減量開始と同時に糖質をオフしたところ、
体重は急激に減少しました。
しかし同時に、
体力の著しい低下
トレーニング中のパフォーマンス低下
集中力の低下
を強く感じました。
「このままでは筋肉も削れてしまう」
そう判断し、糖質オフは早い段階で中止しました。
増量期に重視していたのは「糖質の量とタイミング」
増量期に最も重視していたのは、
糖質の摂取量とタイミングです。
特に意識していたのは、
低血糖状態を作らないこと
トレーニング前・中にも糖質を補給すること
トレーニング前、そしてトレーニング中にも
糖分を含むドリンクを飲みながらトレーニングを行っていました。
筋肉を増やすためには、
刺激(筋トレ)
エネルギー(糖質)
材料(タンパク質)
この3つが揃う必要があると考えているからです。
タンパク質は「量」よりも「タイミング」
減量中のタンパク質摂取量は、
体重1kgあたり約1.5gを目安にしていました。
トレーニーの中には、
体重1kgあたり2g以上を摂取する方もいますが、
私は管理栄養士としての学びを実践する意味もあり、
あえて過剰摂取は行いませんでした。
私が重要視していたのは、
血中アミノ酸濃度を低下させないことです。
消化吸収の早いプロテインドリンク
消化に時間のかかる肉・魚などの食事
これらを組み合わせることで、
血中アミノ酸が枯渇しないようタイミングを調整していました。
グルタミンなどの
特定アミノ酸サプリメントは使用せず、
「食事+プロテイン」で完結させています。
ビタミンB群は軽視しない
減量期に欠かせないと感じていたのが、ビタミンB群です。
ビタミンB群は、
糖質
脂質
タンパク質
それぞれのエネルギー代謝や生合成を助ける
補酵素として働きます。
欠乏すると、
エネルギーが作れない
筋肉合成効率が落ちる
という状態になりかねません。
そのため、食事に加えて
マルチビタミンのサプリメントも活用していました。
夜遅い生活でも、極端な制限はしない
当時の私の生活は、
朝8時に家を出る
帰宅は深夜12時〜1時
というリズムでした。
帰宅後に食事をすることも多かったですが、
夜の炭水化物は控えめ
コンテスト2週間前からは夜のご飯は基本なし
という調整を行いました。
ただし、
低血糖による筋分解を防ぐという観点から、
少量の糖質は「むしろプラス」と捉えていました。
脂質は敵ではない
脂質については、
揚げ物
天ぷら
は避けていましたが、
鶏もも肉や胸肉の皮
などは普通に食べていました。
脂質は細胞膜の材料として不可欠です。
極端に制限することは、長期的には逆効果だと考えています。
コンテスト直前はささみ肉を多く選びましたが、
これは栄養面だけでなく、
「ささみを選んでいる自分、仕上がってきてるよね」
というメンタル面のスイッチとしても活用していました。
これは「コンテスト向け」だけの話ではない
ここまで読むと、
「コンテスト向けの特殊な減量」と感じるかもしれません。
しかし一般的には、
体脂肪率10%を切れば十分な減量成功例
と言えます。
私は結果的に6%まで落としましたが、
そこまで行く必要はありません。
筋肉を減らさない減量で、最も重要なこと
最後に、最も重要なことをお伝えします。
筋トレをすること。
筋肉は刺激に対して順応して増えます。
刺激がなければ、基本的に増えることはありません。
人間にはミオスタチンという
筋肉の増えすぎを抑制する仕組みがあり、
負荷がなければ筋肉量は維持されません。
減量中に筋肉を減らしたくなければ、筋トレは必須。
これは例外のない事実だと考えています。
【補足】実データで見る「筋肉を落とさない減量」
ここからは、
実際の体組成データをもとに補足します。
減量開始時 → コンテスト直前の変化
体重
70.55kg → 63.75kg(−6.8kg)
体脂肪率
16.5% → 6.0%(−10.5pt)
脂肪量
11.65kg → 3.85kg(−7.8kg)
筋肉量
55.85kg → 56.80kg(+0.95kg)
👉 体重は落ちているのに、筋肉量は維持〜微増
この結果から分かるのは、
落としたのは「体重」ではなく「脂肪」
筋肉を守るための食事とトレーニングが機能していた
という点です。
まとめ:筋肉をつけながら痩せるために大切なこと
糖質を敵にしない
タンパク質は量よりタイミング
ビタミン・ミネラルを軽視しない
脂質を極端に避けない
そして、筋トレを続ける
これらは、
特別な人のための方法ではありません。
「健康的に、筋肉を保ちながら痩せたい」
そんな方にとって、
一つの現実的な参考例になれば嬉しいです。
以下、実体験を元にした参考写真








コメント